現実とファンタジーの隙間に、ふつうのおじさんが現れる。
演劇人・高瀬和彦を中心とした不思議なお話を4篇。
高瀬和彦くんとは古い知り合いです。彼はババロワーズという劇団の主宰で、とてもいい役者であり、劇作家です。でも高瀬くんはなぜか、自分はいつも周りを盛り上げる方にまわって、あんまり自分では役者として前へ出ようとしません。そのことについてどうも釈然としないと思い続けてきました。
あんなにすごい才能があるのに。
本当はここに高瀬くんの写真をどーんと載せたいんですけど、本人は「そんな知らんおっさんの写真があってもお客は来ませんよ」というので載せないことになりました。
そうなんです。高瀬和彦がいつまでも“知らんおっさん“ではいかん。もっとその存在を知られてほしい。
私、淀川フーヨーハイは大変おせっかいながら、高瀬和彦をどんと中心に据えた演劇ユニットットを立ち上げました。それがロンドン会議です。(最初に彼を説得した場所がロンドンティールームという店であったことに由来)
高瀬くんを知る関西の演劇人に集まってもらいました。
短編が4本ありますが、なんと!どれも高瀬くんが主役なんです。私個人としては、こういうのが見たかった。というわけでこの非常に偏った企画が実現しました。
ぜひ見にきてください。
淀川フーヨーハイ(満員劇場御礼座)
そろそろ芝居をやめようかと本当に考えていました。長く続けているばかりで大してうだつも上がらないし、体力的にも年齢的にもそろそろ潮時かなと。
今でもそう思っていますし、そんなヤツはグズグズ言ってないでさっさとやめればいいと客観的に思います。
しかし、そんな折に、淀川フーヨーハイさんから、今回の公演の提案がありました。
涙が出るほどありがたいお話ながら、こんな状態の俺にそんなことをやる価値があるだろうかとうかと不安に思いました。
ですが、尊敬してやまない大先輩の淀川フーヨーハイさんに、最後いじくり倒されてボロボロにされてからやめるのも一興かなと思い直し、この公演を引き受けることにしました。ほぼ出ずっぱりの公演など、長い演劇人生でやったことがありませんが、決死の覚悟とヤケクソで臨みたいと思います。この公演後、自分がどうなっているか自分でもわかりません。
ささやかな公演ですが、楽しんでいただけると幸いです。
高瀬和彦(ババロワーズ)