気候変動など人為的な理由で、オーストラリアや南極周辺に、人間が住むことができない地域「新世界」が出現した未来。海洋学者のタシは、従来とは全く異なる新世界の生態系の研究を行っていた。
タシは夫と共に人工の細胞小器官「モトドリガネア」を接種することで、老化を防ぐ治療の治験に参加する。モトドリガネアの効果は絶大だったが、タシだけが体が変形していく謎の病「人魚病」を発症してしまう。最終的にタシは、「人魚」と呼称される異形に姿を変える。タシの夫は、望みをかけて国際的な医療系の学会に登壇し、この病気の恐ろしさの啓蒙と、新たな治療法を模索する。